電圧の本質

 電圧の大原則は、

二点間の差である

という事です。電圧は「電位差」と「電位」に分けられます。

電位差:任意の2点間の
電位:    アース(あるいは基準となる電圧)との

いずれにしても二点間の差である事には違いありません。

「電位」と「電位差」の違いを理解する事は、電圧を理解する上で最も重要な事です
単なる定義の差ではなく概念としての差を理解する事が必要です。

例えば、二つの電源(No1、No2)がありそれぞれの+端子の電圧は10Vと20Vです。この端子同士を接続したらどうなるでしょうか?
ショートする場合もありますが、ショートしない場合もあります。

電源No1の10Vは電位を表しています。それは+と−端子間のと言う意味です。
それは、山の標高に例えた場合、必ずしも標高10mと言ってるわけではありません。
麓が海抜40mの場所にある標高50mの山かもしれません。(差は10m)
同じくNo2も標高20mといってるわけではなく、麓が海抜30mの標高50mの山かもしれません(差は20m)。
であれば、No1とNo2の電位は両方とも50Vなのでショートは発生しません。しかし−端子を共通にした場合、+端子の電圧はそのまま直接比較できるので、10Vと20Vが接触した事になり、No1とNo2はショートを起こします。

このように、電位と電位差は同じものではないので、分けて考えないといけません。しかし、多くの場合、−端子は共通にしているので、電位と電位差を意識しなくても問題にならなく、この概念を認識できずにいる事があります。


絶縁体中での電圧の概念(電圧と位置エネルギーの相違点)
 例えば絶縁体間の電圧を上げていくと最終的に絶縁破壊を起こし電流が流れます。一方で高度を高くしても物が落下しようとする力が強くなる事はありません。落下している物のエネルギーは大きくなりますが、高度を上げたからと言って落下しようとする力は変化しません。 ですので絶縁体の電圧は高度ではなく重量に似ています。 重量が重くなると橋が耐えられず崩壊するのは、電圧が高くなって絶縁破壊を起こすにのに似ています。

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