全固体電池の実現性

技術的な内容は書いてませんので、予めご了承願います。

全固体電池の実現性はどうなっているのでしょうか。
実用は近いと思うのが殆どの人の認識ではないでしょうか。それは、そう思わせるような報道が多くあるからと考えられます。
トヨタはまず2020年代前半にハイブリッド用の量産を開始。日産は2028年度にEVで実用化の計画となっています。

しかし、一方で、実現はそんな近い将来ではないと思わせる記事もあります。
雨堤徹氏(元三洋電機)は「全固体電池の妄想から脱却し現状部材でいかにコストダウンしていくがが課題である」と言っています。

それを裏付けるかの様に、 経済産業省も「これまでの政策に対する反省」と称して全固体電池を今後の基本戦略とした事が誤りだった事を記載しています。(蓄電池産業戦略検討官民協議会 蓄電池産業戦略 2022年8月31日 12ページ目)。現在、中韓企業がLiイオン電池で日本を逆転しており、全固体電池の実用化に至る前に日本企業は疲弊し、Liイオン電池の市場からも撤退させられる可能性があるとしています。

つまり全固体電池は理想ではあるが、まだまだ実現には程遠い状況であり、基礎研究段階を脱していないと言う位置付けなのだと思わせます。
全固体電池は30年程昔に心臓のペースメーカーとして実用化されていました。
体内で液漏れ(あと発火もでしょうか)をさせてはいけないとの理由で採用された様です。

恐らく、性能を求めなければ全固体電池は実現可能であるけども、エネルギー密度や、耐久性が満足できる物を考えた場合に実現性が難しいのかと思います。
ですので、例え、近々実現したとしても、Liイオン電池とさほど性能は違わない物であるかもしれません。

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