定電流源がLEDを破壊する事があるようです

 ある記事に書いてありましたが、電源を繋ぐ順番を間違えるとLEDが破壊される事があるらしいです。

「電源(AC100V等)➖定電流源➖LED」という構成を例にして説明しますと、「AC100V➖定電流源」が接続されている状態で、LEDを接続するとLEDが破壊する危険があるそうです。
つまり、定電流源の出力が出ている状態の所にLEDを繋ぐ動作、ある意味活線挿抜とも言える動作が良く無いようです。

故障を発生させない為には、定電流源とLEDを繋いだ後にAC100Vを繋ぐ必要があり、
また、定電流源ではなく定電圧源であれば、破壊はしないとの事です。 

故障メカニズムについては 定電流源に溜まった電荷がLEDに流れこむ為と書いてあります。今回は、その理由について推測しようと思います。

電荷がLEDに流れ込んで破壊すると言っていますので、通常の電流ではなく過電流が流れ込んだと考えられます。そして過電流が流れるのですから、過電圧が出力されている事が想定されます。条件的にそうなる事は当然で、定電流源は無負荷(オープン)状態ではMAXの出力電圧を出すからです。

なぜ無負荷でMAX電圧を出力するかは説明するまでもありませんが、定電流源は設定した電流を流す為に負荷抵抗に応じて出力電圧を調整するからです。
負荷抵抗が大きいほど出力電圧も大きくする必要があり、無負荷(抵抗∞)では振り切れるまで電圧出力する事になります。

その状態で負荷(LED)を繋ぎ込めば、LEDに過電圧が印加され破壊する可能性が出てくるわけです。 最大電圧にリミッタを設定できる機器も存在しますので、それを利用すれば破壊せずに済みます。


破壊理由の推定は以上ですが、ここで疑問を感じる方もいるかもしれません。定電流源だから電流を制御できるはずなのに、なぜ過電流を流してしまうのか? という疑問です。

理由は、この状態からは電流制御が効かないからです。
電圧源回路の出力段には平滑用のコンデンサが付いています。LED接続の瞬間、高電圧にチャージされた電荷がこのコンデンサから放電されるわけです。ですのでもう制御は効きません。

コメント

このブログの人気の投稿

サージとインラッシュ電流(突入電流)の違い

オペアンプの基本原理

トランジスタのハーフオン(半オン)故障