交流(虚数iは何の為にあるのか)

複素数は、2次元平面上の点を表しています。たとえば、a+biは座標が(a , b)の点を表します。aは実部、biを虚数部と呼びます。実部と虚数部は独立しているのでa,bの間の+は、足すという意味ではなく、bの正負を表しているだけです。

そしてこの式にiを掛けると、座標の点が原点を中心に反時計回りに90°移動します。-iを掛けると、逆に時計回りに90°移動します。これはiの2乗=-1と定義しているからです。(下記例を参照。y軸が虚数部です)

虚数の虚は「実態がない」ことを表しますが、なぜそんな表現にしたかについて、明確な理由が書いてある物を見た事はありませんが、たぶんこうだと想像します。下図のように円運動を上から見ると(タイヤに例えると横からではなく接地面を見る方向)、x軸上の直線往復運動に見えます。往復運動ですので両端では一時停止して向きを変えます。 しかし円運動としてはその瞬間も止まっていません。それどころか、その瞬間のy軸上の速度は最大になっているわけです。ですので、y軸上の動作はx軸上での観察に現れない虚像という事ではないでしょうか。



電子の世界では虚数部のiはjと書きあわらします(iだと電流と同じになるので)。コンデンサとコイルの位相差は90°なので、jを使った式がそれを表すのに都合が良いわけです。
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