抵抗とダイオードの電圧降下の違い
<はじめに>
「電圧降下」とは電流を流した時に抵抗等の両端に電位差が生じる現象の事ですが、電圧降下は抵抗だけでなくダイオードにも発生します。
しかし抵抗とダイオードでは電圧降下の性質がかなり違います。
この差を明確に認識しておくと、回路の理解に役立ちます。
<2つの違い>
抵抗とダイオードの電圧降下の差、1番目は、
抵抗: 降下電圧は変化する(図1)
ダイオード: 降下電圧は一定(不変)(図2)
と言うことです。
抵抗の電圧降下はオームの法則(V=RI)で表され、抵抗値や電流値によって変化します。
それに対し、ダイオードの降下電圧は電流値に関係なく決まった値です。
ダイオードの種類によって降下電圧(Vf)は決まっており、一般的にはシリコンダイオードの場合は0.7Vくらいで一定です。
抵抗とダイオードの電圧降下の差、2番目は、
抵抗:受けた電圧を全部使う
ダイオード:決められた分しか使わない(余った分は誰かが使わないとショートする)
です。
抵抗では、加わった電圧=降下電圧 と言えます。
印加電圧3Vなら、抵抗の降下電圧は3V、それに対しダイオードは0.7Vなので2.3Vが余ります。
(図3)
電圧を上げてもダイオード電圧は0.7Vと不変ですが、抵抗は余った分を全部受けます。
(図4)
余った分を消費する素子が存在しない場合は、その分はショートとなり過電流が流れます。ダイオードには抵抗成分がないので、ダイオードで使いきれなかった電圧分は、その電圧を使う素子が存在しなければショートになるのです。(この場合はダイオードが破壊します)
(図5)
<図3>
<図4>
今回の趣旨に外れますが、ダイオードは電流を通すか通さないかの二状態しか存在しく、抵抗は存在しません。すなわちオープンかショート状態しか作らないと言う事です。その意味からすればダイオードのロジックはスイッチに似ています。 負荷を繋がずスイッチのみを電源を繋いだらONした場合に過電流が流れるのと同じで、ダイオードだけを電源に繋ぐとONした場合に過電流が流れるのです。(LEDは不完全な負荷 も見てください)
コメント
コメントを投稿