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11月, 2022の投稿を表示しています

電子の速さは遅いのに 電流は速い理由

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 自由電子(以降、電子と書きます)の移動によって電流が流れるのですが、 電子と電流の速さは全く違う と言う話を聞いた事はないでしょうか? 電流はほぼ光速(約30万km/s)であるのに対し、電子は0.07m/sとのことです。約430万倍の違いがあります。 電流は電子の動きであるのに、「電子の速度」≠「電流速度」である理由は何でしょうか。 電子回路を水道に例えて説明します。 もし水道管が空っぽ状態であった場合は、送水場で送った水が家に到着するには時間がかかります。しかし実際には水道管には水が充填されていますので、水が送られた瞬間に家に到達します。つまり 水の速度自体はどんなに遅くても、送水した瞬間に水が到着する のです。 到達した水は、送水場から送った瞬間の水とは別物ですが、水を送った結果、水道から水が出てくる事実は、スイッチを入れた瞬間に電球が点くのと同じ感覚です。 つまり電子は導線中に既に存在していて、電圧がかかった瞬間にそれらが一斉に動き出す事が電子と電流速度を説明するポイントのようです。 速度の概念は、物がスタートからゴールまで移動する現象に当てはめるのが普通です。 しかし、電流速度は言わば長い物体の端をスタートポイントにし、他端をゴールポイントにしているわけですから、理解しづらいですし、それを速度と言って良いのか疑問が湧きます。 例えば、大阪にある電源スイッチを東京にいて押したい場合、スイッチを押す物体を東京から大阪まで移動させる必要があります。それが人だったら新幹線や飛行機を使って移動しなければなりません。しかし、もしその物体が細長くて大阪まで伸びているとしたら、スイッチは瞬時に押す事ができます。 一般的な速度の概念で考えると誤解を招くので、表現としてこのように使い分けたら良いのではないでしょうか。 ・電流 速度 =0.07m/s(電子の速度) ・電流の 応答速度 =約30万km/s(光速) 最後に、以上の説明は概念でしかありません。光速である理由が説明できる内容ではない事をご了承下さい。  目次に戻る

ヒューズの目的 あってますか?

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 ヒューズの使い方に疑問がある事がありましたので、それについて思う事を書きたいと思います。 ヒューズの目的は、過電流による故障から機器を守る事、 或いは過電流による火災を防止する事です。 ショート等の原因を取り除いてからヒューズを交換して復活させます。 問題にしたいのは、チップヒューズやパターンヒュースの様な、回路内に設定されているヒューズです。(これは交換不可能なヒューズですので、ヒューズ切れイコール機器全体の故障となります。) ヒューズが切れが発生したが、回路の故障はなかったケースについて、これは正常動作であると考える人がいるようです。 「 電子回路が壊れる前にヒューズが切れなければいけない 」というのは一般論でありますが、このケースには当てはまらないと思います。 前述の通りヒューズ交換できないので、機器全体の故障となり内部回路を守る意味がないからです。 どこが壊れてようと機器の故障にはかわりなく、機器ごと交換しなけれなりません。 以上から言いたい事は、 交換できないヒューズの役目は、回路を守る事ではなく、火災防止であると言うことです。 ですので、 回路が壊れてからヒューズが切れて 欲しいのです。 そうでなければ、冗長過ぎて故障率が高くなってしまいます。 回路が壊れることなく発火の可能性があるのであればヒューズ溶断が先もやむを得ませんが、弱電回路であれば回路の故障がない限り発火は無いと思います。 各ヒューズの目的 交換可能ヒューズ→  回路保護が目的(負荷ショート等から回路故障を防止する) 交換不可能ヒューズ→ 発火防止が目的(回路故障による発火を防止する) 前者は、ヒューズを先に切る、後者は回路が壊れてからヒューズを切るように設計する。 目次に戻る

抵抗とは(コンデンサやコイルとの違いは?)

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 抵抗とは、 「電流を絞る装置」「エネルギー消費装置」と言える。 広義で言えば、抵抗素子だけでなく負荷も抵抗と言える。 負荷はエネルギーを消費するので、その意味で抵抗と言える。 抵抗で消費されたエネルギーは、必ず熱に変換される。 コンデンサやコイルとの違い ・抵抗はエネルギーを消費するが、CやLは、消費しない。  (現実は僅かながら消費するが、理論的には消費しない) ・抵抗はエネルギーを蓄積できないが、CやLは蓄積できる。   W L =1/2*LI^2(J)蓄積する。W C = 1/2CV^2(J)蓄積する。 W R = RI^2(J)熱として消費。 ・抵抗は時間的要素に依存しない(パラメータに t が入らない)         CやLは時間(周波数)依存性がある。    直流(定電流)ではCは無限大、Lは0Ωとなる。    (しかし現実は、寄生CやLがそれぞれにつくため、ある時点で反転する) (参考) 用途による抵抗の例  分圧抵抗: 抵抗比を利用して電圧を作る。  保護抵抗: IC入力端子等に静電気や過電流が流れるのを防止する(IC保護)。  ダンピング抵抗: Trゲートに流れ込む電流を穏やかにし、信号が暴れるのを防止する。  終端抵抗: インピーダンス整合より、高周波の波形乱れや反射を防止する。  シャント抵抗: 大電流を測定できるよう電流計に並列に設定する抵抗(分流)。          或いは電流測定用の抵抗(両端の電位差から電流値を求める)。 目次に戻る

LやCの電圧/電流位相差が90°の意味(式を使わないで説明)

交流動作時のL(コイル)やC(コンデンサ)の振る舞いとして、  ・Lは電圧に対して電流が90°遅れている  ・Cは電圧に対して電流が90°進んでいる と言うのがあります。 この「90°」とは何を意味するのでしょうか? また、進んでいる遅れているとは、どう言う事なのでしょうか。 90°の意味  端的に言えば、0°はゼロ、90°はMAX(=電源電圧)状態を表します。 つまり電圧、電流の関係が90°と言うことは、   「電圧0の時、電流MAX値になる」  また逆に、   「電圧MAX値の時、電流0になる」 の状態を表しているにすぎません。 波形グラフを見れば、上記状態になっている事がよく分かります。 余談ですが、過渡状態を考える時、全範囲をまんべんなく見るのではなく、幾つかのポイントとなる地点だけを見て比較すると理解しやすいです。 交流はサイン波で表されて、それは円の回転運動のY軸(直径部分)を電圧(電流)値とみなしています。 回転運動ですので円上の位置を表す為に角度を使います。 0°からスタートして、90°でMAXになり、そこからまた下がって180°になります。 180°は電圧(電流)値で見れば0°と同じ位置です。その先はマイナス電圧(電流)に進んで行きます。 位相が進んでいる、遅れている の意味  電圧と電流が相補的な関係になる事が90°の意味である事は分かりましたが、では位相が進んでる、遅れているとはどう言う事でしょうか。電圧と電流の波形のズレのを位相と言い、 抵抗成分しかない回路はズレがなくサイン波が重なって進んでいきます。即ち、位相はゼロです。 ところがLやCを含む回路では、そのズレ(位相)が90°になります。 そして、そのズレがLでは電流波形が先で、その後を追うように電圧波形が現れます。 Cはその逆です。 しかし、ここで疑問なのは、Cの「電流が先で電圧が後と」いう波形です。  電流は、電圧の結果として流れるもの です。なのになぜ電流が先なのでしょうか。 それは、ここで言う電圧とは、 電源電圧の事ではなく、コンデンサの端子間電圧の事なのです。   ですから、電源電圧波形は当然ですが一番先に来ます。 ではこれを考慮して、電源電圧の変動に対して、LやCの端子間電圧、電流がどのようになるか大雑把に考えてみます。 ・コイル→電源立ち上がりで、V L (コイル端子間電圧)...

インダクタ(コイル)の本質

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<インダクタの機能>  インダクタは、電磁気の特性を利用する事により色々な機能を実現させている。 大きく下記に分類される。 ・ 磁気を力として使用(アクチュエータ)  コイルが電磁石になることを利用し、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する   例)モーター     リレー     ソレノイドバルブ ・ 自己誘導を利用した装置   発生した磁気が自分自身に影響する特性を利用   例)チョークコイル     DCDCコンバータ(スイッチングレギュレータ) ・ 相互誘導を利用した装置(発生した磁界でエネルギー伝達)  発生した磁界を媒介してエネルギーを伝達   例)トランス(変圧器)     非接触充電(ワイヤレス充電) <特性から機能を説明>    電線に電流が流れると周囲に磁界が発生する。電線を巻線にすることで、 定電流時は磁束密度を上げ電磁石となり、電流変動時は隣接の電線と相互に磁束の影響を与えあい、自己誘導の現象を利用した素子となる。 インダクタを理解するには、まず電流と磁界の関係を知る必要がある。 電流は起磁力である(電流により磁力が発生する)。またその逆も成り立ち、磁力は起電力にもなる。即ち 1、電流⇨磁力を発生する。 2、磁力⇨電流を発生する(=電圧発生する) であるが、注意すべきことは、2である。 磁界 にさらされれば電圧が発生するのではなく、磁界 の変動 によって、電圧が発生する 。 変化の無い磁界中では電圧は発生しない。 (もし静磁界で電圧が発生するなら、タービンを回す事なく発電する永久機関ができる) つまり磁界自体はエネルギーを持たない事を意味する。 ・磁界の発生条件:電圧だけではダメ(×)、   電流が必要(○)  ・電圧の発生条件:磁界の存在だけではダメ(×) 、  磁界の変化が必要(○) <補足> 実際はこれ以降が一番重要なところ。 自己誘導について  自己誘導の特徴は、電流の変化に応じてそれを阻止する方向に起電力(電圧)を発生する事である(逆起電力)。 逆起電力とは、現状を維持しようとする力であり、いわゆる「慣性の法則」に似た動作とも言える。 1、チョークコイルの原理(高周波ノイズを通さない原理 )   電流変化が無い場合はコイルの両端は同電位であるが、変化が発生した瞬間、その分を阻   止する電位が発生する。電位差の発...

半導体とは(導体と絶縁体の中間? そういう事じゃないでしょう)

1、物質としての半導体  半導体によくある説明に、導体と絶縁体の中間の性質を持つ物質と書いてあるものが見受けられるが、では、半導体は抵抗器に使う物なのか?、と思ってしまいます。 確かに物質の説明としては間違ってないかもしれないが、半導体は何なのかを知りたい人は、多分そんな事を知りたいのではないと思います。 そもそも半導体とは、 一言で言えば「 センサー 」です。 トランジスタも? と思うかもしれませんが。トランンジスタは電圧(電流)を検知して、増幅あるいはスッチングします。機能はセンサではありませんが、物質の性質としてはセンサです。 つまり電圧、電流、光、圧力、磁気、温度等、色んなものに反応するセンサが半導体の本質です。この各々のパラメータに反応して、半導体の抵抗値(或いは電圧値)が変化するのです。 センシング要素別の半導体例  電圧:MOS FET  電流:バイポーラトランジスタ  光:フォトトランジスタ  圧力:ピエゾ素子(圧力センサ)  磁気:ホール素子(磁気センサ、電流センサ) 2、機能としての半導体  半導体といえば、IC(マイコンやメモリ等)を想像する人が多いと思います。 ここではこの切り口で書きたいと思います。 ICは集積回路(Integrated Circuit)の事ですが、昔、電子回路は、個々の独立した素子で構成されていました。プリント基盤上はトランジスタ、抵抗、コンデンサ等で構成されてICは存在しまませんでした。 やがて、より複雑なロジック(AND、ORのような)を組むために複数のトランジスタを一つのチップに搭載したものを作り、それがICの始まりです。 更に複雑なロジックを実現させる為、フローチャートを実行できるマイコンが登場しました。時系列で演算させる為に順序回路という一時記憶素子がフリップフロップとして登場し、プログラムを格納する為にメモリが開発されました。それら全てを一つのチップの中に収めた物が近代のICです。 電子回路はほぼICで構成されていると言っても過言でなく、IC内に収めれないレベルのノイズ除去回路等がICの外に配置される構成になっています。   3、構造としての半導体  ここでは、ICの構造について書きます。 IC内部は、ほぼトランジスタの集合体です。トランジスタはON /OFFのスイッチに過ぎませんから、全てのロジックはON /...

「オームの法則」の理解を深める為の一問

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 オームの法則は、電子回路の根底ですが非常に単純です。しかし本質を理解するのは意外と難しいと思います。 下記に、どの式にも共通するイメージで表現したいと思います。 1、V=IR :ある抵抗Rに電流Iが流れると、抵抗Rの前後の 電位差はV になる 2、I=V/R :ある抵抗Rの前後の 電位差がV の場合、Iの電流が流れる 3、R=V/I  :ある抵抗Rの前後の 電位差がV で、電流値がIの場合、抵抗値RはV/Iである 意識すべきは、 Vだけは常に 二点間の差 である 事です。他のパラメータはそのまま使えますが、電圧だけは差を計算し代入しなければなりません。 オームの法則の「V」は、「ΔV」とした方がイメージ的に分かりやすい と思います。 理解を深める問題を一つ、下記回路のV?の電圧値はいくらになるでしょうか? 左の回路は言うまでもなく5Vです。 では、右は・・・・  右も5Vです。 左右で回路が異なるのに、なぜ同じ値になるのでしょうか? 右回路の抵抗Cの先はオープンなので、この経路には電流が流れません。 すなわち抵抗CのΔV=IR=0(A)×1(kΩ)=0(V) 抵抗Cの前後で電圧の変化は無しです。 つまり抵抗Cは無いのと同等であり、左回路と同じ結果になるわけです。 ここで、 V?の所には電圧計が入るわけですが、電圧計は内部抵抗無限大ですので、電流は流れません。 電圧計に電流が流れないというのは、定義ではありません。測定上必要な要素です。 もし電圧計に電流が流れてしまえば、測定に影響を与えてしまいます。 電圧計内部抵抗と抵抗Cの分圧の電圧値が観測されてしまうからです。 また、これは合成抵抗値を求めて解く方法もあります。 V?の箇所は前述の通り無限大です。 ですので分岐箇所の合成抵抗は1kΩ(抵抗C)+無限大Ω=無限大Ωになります。ここと抵抗Bは並列になっていて、その合成抵抗Rは 1/R=(1/1kΩ)+(1/無限大Ω)です。(1/無限大Ω)は0ですので、この式の2項目は消滅するのでR=1kΩとなります。結局抵抗Bは元の値と変わっていないません。 この記事は過去に書いたNOTEの記事を再編して作成しました。 オームの法則 目次に戻る

コンデンサの本質(水流モデル)

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はじめに    コンデンサの機能として、「蓄電」と「カップリング」があります。 (カップリングとは、直流をカットし変化分だけ伝達する事です) イメージとして、「蓄電は 電荷を貯める 」、「カップリングは 電荷を貫通させる 」 と考えがちですが、それは相反するものです。 そうなってしまう理由は、水が水槽に溜まる状態をイメージするからです(水流モデル)。 しかし、当然ですが両者は本来全く同じ現象であり、何に着目しているかでイメージが変わっているだけに過ぎません。  コンデンサは電流を貫通させながら、電荷を蓄積します。この現象をイメージするには単純な水流モデルではダメなのです。 水流モデルではなぜダメか  コンデンサに電圧をかけると必ず貫通する電流が流れます。 電流はコンデンサの+端子から入って−端子から出ていきます。(+)から入ったのと同じ量の電流が(−)から抜けて行くわけです。 これはどんな時も同じです。 充電で使おうと、パスコンで使おうと変わりません。 これはキルヒホッフの電流則であり、入出力の量は必ず一致するわけです。 一方で、水流モデルで考えた場合、入った水はそのまま溜まり、どこへも漏れて行きません。 もし入ったのと同量の水が出て行ったら、水は一向にたまらない事になります。 これが、水流モデルでコンデンサを考えてはいけない理由です。 なぜコンデンサに電荷が溜まるのか(充電時に電流が抜けて行くのに)  コンデンサの中に電流が溜まらないのに、なぜ電荷が蓄積されるのでしょうか。 正確にいれば電荷は溜まっていません。もともあった電荷をエネルギーの高い状態にさせた事で電荷が溜まった様に見えるだけです。位置エネルギーに似た概念です。 位置エネルギーは、物を高い位置に上げるだけですので、物の出入りは全くありません。 水流モデルで考える場合  もしコンデンサを水流モデルで考えるとしたら、揚水発電で考えるといいです。 揚水発電とは、水力発電の一種ですが、発電というよりは蓄電が目的です。 発電に使う水は、再度上に揚げて位置エネルギーとして保存し循環させます。 これをコンデンサに当てはめてみると、揚水発電の水の循環系はコンデンサ本体で、水を上水槽に揚げる行為は充電になります。 充電の為に水を下水槽から上水槽にポンプで送りますが、そのポンプを動かすエネルギーを水力発電で得ると考...

電流源とは何か(内部抵抗無限大の意味は)

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電流源(定電流源)とは何なのでしょうか? 「電圧源は電圧を発生させる回路であり、電流源は電流を発生させる回路である」というわけではありません。 両方とも電圧を発生させているだけです。 電流源の概念  まず全ての基本となる事は、 電圧発生の結果として電流が流れる という事です 。主従関係は必ず電圧>電流です。 従って、電圧源も電流源も、制御するパラメータは必ず電圧です。 どんな電源でも、内部では必ず「電圧」を発生・調整する構造になっています。 「電圧源」「電流源」の違いは モニターする パラメータだけです。 電圧源:電圧をモニター⇨電圧を調整して目標電圧値に誘導 電流源:電流をモニター⇨電圧を調整して目標電流値に誘導           電圧源            電流源  電圧源を電流源として使えないのか  負荷が変動しなければ使えます。目標の電流値になる電圧を割り出して、その電圧値を設定固定すれば良いだけです。しかし、現実の回路は負荷が変動します。ですので電流値をモニタして、変化する負荷に追従して一定電流を出力し続ける定電流源を使うしかないのです。 負荷が変動したら出力電圧・電流は変化するのです。 電源が一定電圧を出し続けている時、電源内部は静的な状態にあるように見えますが、 実際は、負荷の変動に応じて出力電圧を変化させ、一定電圧を維持させています。 電流源も同じです。 綱引きで考えると、綱が動かない状態(力の均衡が保たれてる状態)では、左右の引っ張る力は同じです。 しかし、相手が強く引いてきたら、こちらも強く引かなければならないし、逆に緩めてきたらこちらも緩める必要があります。 綱が動いていないので、何の力の調整もしていないように見えますが、均衡を保つためには相手の変化(引っ張る力)と同じ変化を自分もしなければならないのです。つまり電流源も負荷の変動に合わせて電圧を動かさないと、 定電流を維持できないのです。 電流源の内部抵抗  電流源回路の内部を説明する表現で、内部抵抗が高い(無限大)という説明があります。しかし、それは電流源の概念を説明するためで、実際の回路がそうなっている訳ではありません。 負荷が変化しても電流は変化しない という概念を理想回路として表現しているだけです。        ...

オペアンプ 仮想短絡の理由(式を使わず概念で理解できる)

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はじめに  オペアンプの仮想短絡(イマジナリショート)は、オペアンプ内部でそうしている訳ではありません。外付けの負帰還回路とコンパレータロジック(オペアンプのロジックはコンパレータと同じ)が引き起している現象です。 全てはまず、 基本ロジックを認識し、それに基づいて考える 事が重要だと思います。 そして、 デジタルIC(オペアンプ)がなぜアナログ出力になるのか を考える事も、理解する上で重要なポイントになります。 オペアンプのロジックは、コンパレータと全く同じです。それさえ認識していれば、仮想短絡(イマジナリショート)や増幅率無限大の概念は、式など使わず理解できます。 では詳細に考えていきます。 コンパレータのロジックは、+端子と−端子を比較して+が大きければHi、逆であればLoを出力する実に単純なロジックです。 それを基に仮想短絡と増幅率無限大を考えます。 仮想短絡  仮想短絡とは+端子と−端子が同電位になる特性ですが、これはオペアンプの中でそのようなロジックが組まれている訳ではありません。オペアンプのロジックは飽くまでコンパレータと同じです。 外付けの負帰還回路構成が、そう(仮想短絡)させているだけです。 負帰還回路で一番シンプルなボルテージフォロワで考えれば概念的に理解しやすいです。                       これにコンパレータのロジックを適用して考えてみましょう。 例えば、+端子に2Vを入力します。(VDDは5Vとします)。 初期のVout(=−端子)電位は不定ですが、例えば2Vより高い場合、Voutは0Vになります。 帰還されて−端子も0Vになります。 +端子2V、−端子0Vなったので、次の状態はVoutには0→5Vが出力されます。 (デジタルICなので、出力は0Vか5Vしか発生しません) 以降、同じようにロジックを追っていくと、Vout(=−端子)は0V⇦⇨5Vを繰り返し、一種の発振状態となります。 この発振の中心値は2V(+端子電圧)ですが、+端子が何Vであろうと0-5Vで発振するので、この状況では+端子の電位は何でもいい事になります。 今考えたような反応が遅い状態だと0Vと5Vを往復する矩形波を想像してしまい、 中心値が2Vである事が分からないです。 でも実際は反応速度が速い為、2Vを横切った瞬間にすぐ反転し、0Vや5Vに到...